白髪 一雄 Kazuo Shirag

作家 / Artist
白髪 一雄
Kazuo Shiraga
(1924-2008)
取扱作品 / Genre
絵画、版画
作家紹介 / Artist Information
兵庫県尼崎市生まれ。大画面に、足で描くというアクションペインティングで知られる。1924 年京都市立絵画専門学校日本画科入学(現京都市立芸術大学)、1955年具体美術協会会員。ミシェル・タピエに認められアンフォルメル運動に参加。1971年比叡山延暦寺で得度。和 歌山県立近代美術館、兵庫県立近代美術館、福岡市美術館、尼崎市総合センターなどで個展多数。
ギャラリー白川 / 展覧会の記録
・個展 1992年
作品 / 版画 Prints
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ノート / Note
2016年のことだった。ニューヨークから若いご夫婦が通訳を伴って、画廊へやってきた。画廊内の作品をいろいろと見ていたが、彼が、「白髪の作品はありますか?」と尋ねてきた。私 は、「版画なら、少し持っています」と答えた。「それを見たい」と彼は言った。倉庫から何点か 出してお見せした。すると彼が「何故、僕たちがここに来たのか分かりますか?」と私に聞い てきた。そして、スマホを取り出して、検索してみせてくれたのだ。そこには白髪一雄の英語表記の展覧会が掲載されていた。1990年は、2つの展覧会が開催されていた。その一つが、 ギャラリー白川だった。 そこで一つ、分かったことがある。それは、時々、白髪の作品を持っ ていないかと、海外からメールでの問い合わせがくることがある。だが、どうして、問い合わ せが来るのかが分からないでいた。白髪と言えば、1950年代から1960年代の油絵の作品で あれば、海外のオークションで「億」が付く、「具体」の人気作家だ。1960年代にアンフォルメ ルの作家としてヨーロッパで展覧会をしていたことからか、問い合わせは、ヨーロッパからが 多い。結局、ニューヨークから来た彼は、白髪の青い作品を購入した。額に入れると110cmに なる大きな作品だ。 白髪の版画作品は、少ない。しかも、版画を制作したのは、1990年前後 の少しの間だけであった。 1990年の新作版画は、漢字7点を取り上げて制作されたシルクス クリーンだった。版画の絵の具に砂のような物が混ぜてあり、シルクスクリーンといっても厚 塗りで、ボリュームの在る刷りに仕上がっていた。もう30年近くも前のことだが、当時を懐かし く思い出した。 そして、白髪の海外の経歴のリストにギャラリー白川の名前が掲載されてい たことは、やはり嬉しい。(ギャラリー白川出版本「35年をこえて」より)